
山本小鉄子先生による『明日はどっちだ!』をご紹介したいと思います。
この作品は幼なじみの男子高校生二人が織りなす、じれったくも甘酸っぱい青春BL作品です。
ヤンキー×美少年というギャップのある組み合わせや、すれ違いながらも少しずつ縮まる二人の距離感が魅力的な本作。
コミカルな要素がありながらも、切ない恋心や成長の過程がしっかりと描かれているため、「青春BLが好き」「じれじれ展開がたまらない!」という人には特にオススメです。
ネタバレを含む内容となります。
あらすじ
幼なじみの再会とすれ違い
物語の主人公は、黛 星(まゆずみ きらら)。彼は明るい母親のもとで育ち、幼い頃には町内の「美少女コンテスト」で優勝してしまうほどの美貌の持ち主。しかし、本人は「男らしくなりたい!」という気持ちが強く、可愛らしい見た目と反対に気が強くて負けん気の強い性格です。
そんな彼が子どもの頃に出会ったのが、隣に引っ越してきた土佐山田兄弟。兄の京一(けいいち)と弟の顕(けん)は、ヤンチャな兄弟で、無愛想ながら喧嘩も強いという「怖いもの知らず」の存在でした。
星はそんな二人に憧れを抱きながらも、特に弟の顕には特別な感情を持つようになります。ところが、星は「顕は同性愛を嫌っている」と誤解してしまい、密かに抱いていた恋心を封じ込めようとします。
星の願いと現実のギャップ
成長した星は、「可愛らしい見た目のヤンキー」として周囲に認識されるようになります。しかし、本人は**「もっと男らしくなりたい!」**と強く願っており、ギャップに苦しむことに…。
一方、顕は相変わらず無口で無愛想ですが、星のことを誰よりも気にかけていることが次第に明らかになっていきます。
幼なじみとしての距離感が続く中で、二人の関係が少しずつ変化していくのです。
二人の関係が変わる瞬間
ある日、星は顕と衝突してしまいます。顕の何気ない言葉に傷ついた星は、「自分の気持ちを押し殺しているのに、これ以上傷つくのは耐えられない」と思い、距離を取ろうとします。
しかし、その距離が逆に顕を焦らせることに。
顕は、これまでずっと「幼なじみ」という関係のままでいいと思っていたものの、星が自分から離れようとすることで、自分の気持ちに気づくのです。
そして、ある夜、とうとう二人の関係が大きく変わる出来事が起こります――。
見どころ
幼なじみBLならではの「じれったさ」
この作品の最大の魅力は、「すぐにはくっつかない」じれったい関係性。
お互いに気持ちがあるのに、素直になれなかったり、すれ違ったりする展開が続くため、「もう!早く気づいて!」と読者がヤキモキしてしまうこと間違いなし。
特に、顕の不器用な優しさと星の意地っ張りな性格が絡み合い、恋愛へと発展するまでにじっくり時間がかかるのがたまらないポイントです!
コミカルとシリアスの絶妙なバランス
本作は、基本的にコミカルなシーンが多く、読んでいて笑顔になれる場面がたくさんあります。
例えば…
- 星が「可愛いって言われたくない!」と必死に男らしく振る舞うシーン
- 顕が無愛想なままでも、実は星を心配してこっそり見守っている場面
しかし、時には恋愛に関するシリアスな場面も挟まれ、感情の起伏がしっかりと描かれています。
星の成長物語としても楽しめる
そして単なるBLではなく「男らしくなりたい」と葛藤する星の成長物語としても魅力的です。
- 可愛い見た目にコンプレックスを持つ星
- 自分の気持ちを押し殺そうとする星
- そして、それを乗り越えて「ありのままの自分」を受け入れる星
恋愛と並行して、星が自分らしさを見つけていく過程も丁寧に描かれているため、共感できる場面も多いです。
顕の「愛情の深さ」が最高
顕は無口でそっけないタイプですが、実は誰よりも星を大切に思っていることが伝わってきます。
例えば…
- 何気ない瞬間に星を守るシーン
- 「好き」と直接言わなくても、行動で気持ちを示すところ
- 星がピンチのとき、黙って助けに入る
ツンデレ受け×無口で硬派な攻め、という組み合わせが好きな方には、まさにたまらない作品です!
おわりに
『明日はどっちだ!』はただの学園BLではなく、「じれったい幼なじみの恋」と「自分らしく生きること」をテーマにした感動作です。
- ヤンキー×美少年のギャップ
- じれじれ展開にヤキモキする楽しさ
- コミカル&シリアスの絶妙なバランス
- 二人の成長と関係性の変化
これらの要素が詰まったこの作品は「じっくり育まれる恋愛が好きな女性」に特にオススメです!
読めば必ず、星と顕の不器用な恋に胸がキュンとしてしまうはず。
ぜひ、この感動を体験してみてください!